東山魁夷 “山嶺湧雲”
市川市にある東山魁夷記念館にある絵画。私はどちらかというと国を代表する権威に属するようないわゆる大御所といわれるような作家のことに興味はなかった。もっとインディペンデントでマニアックなアーティストが好きだった。
しかし数年前この記念館に始めて訪れた際、そんな表面的な考えがいかに愚かしいかということに気づいた。北アルプス奥穂高をイメージしたこの作品は幽玄とそこに神を感じるような神秘的な作品であった。私は自分が良いと思ったものでもすぐ断定できないひねくれた癖があり、それが勢いで感じたものなのか本当に好きなものなのかを時の洗礼を経ることによって確かめてみたくなる。東山魁夷のような巨星に対して、何を生意気なというほかないのであるが、未熟で偏見がある性格だからしょうがない。それが自分なのである。最近久しぶりにこの記念館に足を運んでみた。作品とは別に東山魁夷が人生で縁のあった場所は私の人生の縁のあった場所と似たところが多いことが判明した。そして何かの良さをより深く感じるということにおいて、縁も所縁もない何かにそう思うわけでなく何かしらの類似した価値観の繋がりによって、それはもたらされるものなのかもしれないなと感じる体験でもあった。 2023 0404
